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プロジェクト管理

プロジェクト管理の基本「WBS」とは?作り方と無料テンプレート、ガントチャートとの違いまで

monday.com ブログ編集部 9 分 で読めます
プロジェクト計画の例。

「WBSって聞いたことはあるけれど、どう使えば良いのかわからない…」

そう感じたことはありませんか?

仕事でプロジェクトを成功に導く上で欠かせないのが、「計画の見える化」です。Web制作や社内業務、ITシステム導入など、工程が多い業務では、全体の流れやタスクの抜け漏れが起きやすくなります。

そこで役立つのが、「WBS(Work Breakdown Structure)」と呼ばれる考え方です。WBSは、プロジェクト全体を細かい作業に分解し、「誰が・いつ・何をするのか」を明確にする手法です。

本記事では、WBSの基本から作り方、活用法までを解説しながら、プロジェクト管理に役立つ実践的な知識をご紹介していきます。最後には無料でダウンロードできるWBSテンプレートもご紹介していますので、記事を読み終えたらすぐに実務で活用できます。

ぜひ最後までご覧ください。

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WBSとは?プロジェクト管理における基本概念

WBSは、プロジェクトを成功させるための設計図とも言える存在です。特に、初めてプロジェクトを任された方や、業務を整理するフレームワークが欲しいと感じている方にとって、非常に頼りになります。

ここでは、まずWBSの定義とその役割について、わかりやすくご紹介します。

WBSの定義

プロジェクトに必要な作業を構造化する。

WBSとは、「Work Breakdown Structure」の略で、日本語では「作業分解構成図」と呼ばれます。少し難しそうに聞こえますが、簡単に言うと「プロジェクトを細かなタスクに分解し、ツリー状に整理したもの」です。

例えば、Webサイトを一つ作る場合、企画、デザイン、コーディング、テスト、公開といった大きな工程が必要です。それぞれの工程を、さらに細かくタスクに分けていくことで、全体像を把握しやすくなり、どこから着手すべきか、誰が担当するのかが明確になります。

WBSがもたらすメリット

WBSを使うことで、プロジェクト管理は格段にやりやすくなります。ここでは、代表的な4つのメリットをご紹介します。

・プロジェクト全体像が見えるようになる:細かいタスクまで分解することで、やるべきことの全体像がひと目で把握できます。
・タスクの漏れや重複を防げる:作業の抜け漏れや無駄な重複作業を未然に防げます。
・スケジュールや工数の見積もりがしやすくなる:タスクごとにかかる時間やコストを正確に見積もることができます。
・チーム全体での認識を揃えやすい:誰が何を担当し、どのような順序で進めるのかが明確になるため、コミュニケーションもスムーズになります。

このように、WBSはプロジェクト全体の見通しをよくし、チームの足並みを揃えるのに非常に役立つツールと言えるでしょう。

WBSとガントチャートの違い・関係性

プロジェクト管理でよく使われるもう一つのツールに、「ガントチャート」があります。WBSとガントチャートは、どう違うのでしょうか?

以下の表に、それぞれの違いを整理してみました。

項目WBSガントチャート
目的作業範囲の明確化と可視化スケジュールの視覚化と進捗管理
表現形式階層構造のツリー(図や表)横棒グラフ(時間軸に沿って表示)
管理するもの何をやるか(作業内容)いつ、どれだけ時間がかかるか(期間)
作成時期プロジェクト初期の計画段階
WBS作成後にスケジュール化する段階

このように、WBSは「作業内容を洗い出すための設計図」であり、ガントチャートは「スケジュールを視覚化するためのカレンダー」のようなものです。

どちらが優れているというよりも、目的が違うため、両方をセットで活用するのが理想的です。初めてのプロジェクト管理では、WBSだけで終わらせてしまうケースも多いですが、ガントチャートまで連携できると、より実践的なプロジェクト運営ができるようになります。

WBSは「作業内容を洗い出すための設計図」であり、ガントチャートは「スケジュールを視覚化するためのカレンダー」。

WBSの種類

一口にWBSといっても、その作り方にはいくつかの種類があります。プロジェクトの特性や目的に応じて、どのWBSを使うべきかを選ぶことが、管理のしやすさに直結します。

ここでは、代表的な「成果物型WBS」と「プロセス型WBS」について、それぞれの特徴と使いどころを見ていきましょう。

成果物軸のWBS

成果物型WBSとは、プロジェクトの最終成果物や納品物を起点に、タスクを分解していく方法です。

例えば、ある企業で、新しい営業資料を制作するプロジェクトがあるとしましょう。この場合、最終的な納品物の営業資料が、WBSのトップに位置します。

そこから、

・構成案の作成
・原稿のライティング
・デザイン作業
・校正・修正
・印刷・納品

といったように、成果物を完成させるために必要な要素を下層に展開していきます。

この型は、「何を作るか」がはっきりしているプロジェクトに非常に向いています。Web制作、資料作成、システム導入など、明確なアウトプットが存在するプロジェクトでは、この成果物型WBSがおすすめです。

プロセス軸のWBS

一方、プロセス型WBSは、プロジェクトを進める手順やフェーズに沿ってタスクを分解していく方法です。

例えば、あるシステムの導入プロジェクトであれば、

・要件定義
・設計
・開発
・テスト
・運用開始

というように、進行の流れにしたがって上位タスクを設定し、それぞれのフェーズで必要な作業を下層に落とし込んでいきます。

この型は、工程ごとにチームが分かれていたり、進行管理を主軸にしたい場合に向いています。業務改善プロジェクトや社内改革のように、形のない成果を目指すプロジェクトでは、プロセス型の方がフィットしやすいでしょう。

ただし、実際の現場では、両方をうまく組み合わせて使うケースも多くあります。

例えば、大枠は成果物型で構成しつつ、各成果物の制作プロセスはプロセス型で掘り下げる、といった柔軟な使い方も可能です。

重要なのは、プロジェクトの関係者にとってわかりやすい構造になっているかどうか。その視点でWBSを設計すれば、自然と最適な形式が見えてくるはずです。

WBSの作り方(手順とステップ)

それでは、実際にWBSを作成する具体的な手順を見ていきましょう。「どこから始めれば良いかわからない」という方も、このステップに沿って進めれば、質の良いWBSを完成させることができます。

基本的にWBSの作成は、プロジェクトマネージャーが主導しますが、一人の手で完璧に作り上げるものではありません。各タスクに詳しいメンバーの知見を取り入れながら、チーム全体でプロジェクトの全体像を組み立てていくことが重要です。

1. プロジェクトの目的を明確にする

WBSを作り始める前に、まず最初にやるべきことは、プロジェクトのゴールを明確にすることです。この段階が曖昧だと、後の工程で「何のための作業かわからない」「不要なタスクが含まれる」といった問題が起きがちです。

例えば、「自社サービスに新機能を追加する」というプロジェクトなら、目的は「〇〇という新機能をリリースする」ことになります。このゴールを基準にして、「どこまでがプロジェクトの範囲か」を明確に線引きしておきましょう。

これにより、WBS全体の構成方針がぶれずに済みます。

2. 主要な成果物と大きなタスクを洗い出す

目的が定まったら、次はそのゴールを達成するために必要な主要タスクや成果物を洗い出していきます。この段階で挙げるのは、”細かい作業”ではなく、”プロジェクトを大きく区切った主要なステップ”だと考えてください。

例えば新機能開発なら、「要件定義」「設計」「実装」「テスト」「リリース」などが上位タスクとなるでしょう。

3. 大きなタスクを細分化する

上位タスクをリストアップしたあとは、その中に含まれる作業をできる限り具体的に洗い出します。この工程では、「その作業を担当する人が迷わず着手できるか?」を基準に考えるのがポイントです。

例えば「テスト」であれば、「単体テスト」「結合テスト」「ユーザー受け入れテスト」などに分けられます。このように細分化することで、担当者の混乱を防ぎ、スケジュールやリソースの見積もりも簡単になるのです。

4. WBSの構造を整理して階層化する

細かなタスクを洗い出したあとは、それらをツリー構造で整理し、階層を構築していきます。このステップが、WBSの要になります。

まずは、タスク同士の親子関係を意識しましょう。

例えば「設計」という上位タスクがある場合、その下には「基本設計」「詳細設計」、さらにその下には「画面設計」「データベース設計」「API仕様書の作成」と階層付けします。

また、構造を整理する際には、実施順序にも配慮しましょう。WBSはあくまでタスク構造の整理が目的ですが、スケジューリングや依存関係の管理にも繋がります。順番に注意して並べておくと、プロジェクトの開始がスムーズです。

5. 抜け漏れや重複をチェックする

WBSの構造が一通り出来上がったら、作成したWBSをプロジェクトメンバーや関係者と見直し、抜け漏れや重複がないか確認します。

また、タスクの粒度にバラつきがないかも確認しておきましょう。「この作業は1日で終わるのに、隣のタスクは2週間かかる」といった極端な差があると、管理や見積もりが難しくなってしまいます。

6. WBSの文書化と共有

見直しと修正を終えたら、いよいよ完成です。ただし、作成したWBSを放置していては意味がありません。

完成したWBSをわかりやすい形で文書化し、チーム全員と共有しましょう。具体的には、Excelやスプレッドシートに一覧形式でまとめたり、プロジェクト管理ツールに入力して可視化するといった方法が考えられます。

誰が見てもプロジェクトの全容が理解できる状態にしておくことで、各担当者が、自分の役割や関与する範囲を明確に把握できるようになります。

WBS作成時のポイントと注意事項

せっかくWBSを作成するなら、実際の現場で本当に役立つものにしたいですよね。

ここでは、WBS作成時によくある落とし穴や、見落とされがちなポイントについてご紹介します。「せっかく作ったのに使いづらい」とならないように、ぜひチェックしてみてください。

タスク内容は具体的に記述する

WBSを作成する際によく見られるのが、タスク名が曖昧すぎる問題です。例えば、「設計をする」「調整する」などの表現では、実際に何をするのか、人によって解釈が異なってしまいます。

そこで大切なのが、誰が見ても、何をやるのかわかる表現にすることです。

例えば、「設計をする」は「基本設計書を作成する」と調整し、具体的なアウトプットや行動を明示することで、チーム内での齟齬も減らせます。

粒度の統一と過不足に注意

WBSを作る上でよくある悩みのひとつが、「タスクをどこまで細かくすれば良いのか」という点です。細かく分けすぎると、管理する項目が多くなりすぎてかえって煩雑になる一方で、大まかすぎると、見積もりや進捗管理が曖昧になってしまうことも。

一般的には、一つのタスクが数日~2週間程度で完了する作業単位を目安にすると良いと言われています。

タスク間の依存関係を意識する

WBSはあくまで「作業構成の整理図」ですが、タスク間に順序がある場合は、それがわかるように整理しておくと非常に便利です。

例えば、「テスト環境の準備」が終わらなければ「テスト実施」は始められません。コメントや矢印、備考などを使って明示しておくことで、後でガントチャートにする際にも役立ちます。

テンプレートや過去事例を活用する

WBSをゼロから作るのは、正直ハードルが高いですよね。初めてのWBS作成では、テンプレートや類似事例を活用するのが効率的です。

業界ごとに定番のWBS構成がないかを確認したり、社内に過去の資料が残っていれば、それを参考にするのも良い方法です。

また、無料で配布されているWBSテンプレートを使えば、抜け漏れのチェックリストにもなり、初動の手間を大きく減らすことができます。

タスクを列で分け、担当者、期限、進捗をひと目で管理できる。

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WBSとガントチャートをもっと活かす!管理ツールの活用が鍵

せっかく時間をかけてWBSを作っても、「Excelで管理するのは大変」「チームで共有しにくい」といった壁にぶつかる方も多いです。実際、多くの企業でWBSやガントチャートの管理が煩雑になり、途中で運用が止まってしまうケースも少なくありません。

そんな悩みを解消するのが、WBSの作成からスケジュール管理、進捗共有までを一元化できる、プロジェクト管理ツールの活用です。特に最近は、ITに詳しくないチームでも導入しやすいツールが数々登場しています。

そんなツール導入初心者におすすめしたいのが、次にご紹介する「monday.com」です。

スムーズなプロジェクト管理に「monday.com」

monday.comは、WBSとガントチャートの連携をスムーズに行える、クラウド型のプロジェクト管理ツールです。

大企業、中小企業、部門単位など、チームの規模問わず活用しやすい設計になっており、リアルタイムでの情報共有、自動の進捗更新、チームメンバーとのコラボレーションなどが可能です。

機能説明
WBS構造をそのままタスクボード化Excelで作ったWBSもすぐに再現できる柔軟な階層構造。
見た目も整理しやすい設計です。
自動でガントチャート化各タスクの納期・依存関係をもとに、スケジュールを可視化。
変更にも即時対応できます。
進捗のリアルタイム共有ステータス・コメント・通知が一元化され、チーム内の情報伝達がスムーズになります。
リソース・負荷管理も対応担当者ごとの作業量を可視化できるため、遅延の兆候やボトルネックの早期発見に役立ちます。

初期費用なしで始められ、必要な機能に絞ったプランも選べます。

「WBSを“使える管理体制”に落とし込めていない」とお悩みなら、monday.comの導入は強力な選択肢となるでしょう。

あなたのプロジェクト管理が、より効率的なものになることを願っています。

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プロジェクト管理の基本「WBS」とは?作り方と無料テンプレート、ガントチャートとの違いまで

本記事は、タスク管理・プロジェクト管理のノウハウを発信する編集チームが執筆しています。

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