チームでプロジェクトを進める際、「今どこまで進んでいるのか」「誰がどの作業を担当しているのか」を共有するのは簡単ではありません。
とくにタスクが複雑になるほど、紙やExcelだけでは限界を感じる場面も増えてきます。
そこで注目されているのが、WBS(Work Breakdown Structure)を効率よく作成・管理できる専用ツールです。
リアルタイムでの共有や編集が可能になり、チームの動きがぐっと見えやすくなります。
しかし、「ツールの種類が多すぎて、どれを選べばいいか分からない」という方も多いのではないでしょうか?
本記事では、そんな悩みを解決するためにWBSの基本からおすすめのツールまで、わかりやすく解説します。
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プロジェクトを効率的に進めるためには、タスクの洗い出しと整理が欠かせません。WBSはそれを実現するための基本的な手法であり、多くの企業で導入されています。
ここでは、WBSの定義と役割について解説します。
WBS(作業分解構成図)の概要
WBS(Work Breakdown Structure)は作業分解構成図または作業分解構造図とも言われ、プロジェクトの作業を階層構造で整理した一覧表(構成図)です。プロジェクト全体の目標を最上位に設定し、そこに到達するまでの作業を段階的に細分化していきます。
これにより、タスクの抜け漏れを防ぎ、役割分担が明確になるという利点があります。
具体的には、プロジェクトマネージャーが最上位の業務を決め、そこから大項目、中項目、小項目と細かく分解していきます。
この構造化によって、各タスクの依存関係や優先順位が明確になり、進行管理もしやすくなるのが特徴です。
また、WBSはスケジュール作成や予算管理にも活用できるため、プロジェクト管理の根幹を支える重要なドキュメントとして位置付けられています。
Excelで作るWBSの限界
WBSはExcelでも作成可能ですが、実際にプロジェクト管理を進めていく中で多くの課題が生じます。
まず、タスクが多くなると階層構造が複雑になり、視認性が著しく低下します。行数や列数が増えることで、全体像を把握するのが困難になります。
さらに、チームでのリアルタイム共有がしにくいため、バージョン管理や情報の同期に手間がかかる点も問題です。
変更があった場合、担当者ごとに異なるバージョンが存在してしまい、混乱を招く可能性があります。
加えて、ガントチャートやタスク間の依存関係の可視化といった機能を使うには、別のソフトや複雑なマクロを活用しなければならず、作業効率が下がる傾向があります。
結果として、プロジェクトの成否に影響を及ぼす可能性が高まります。
WBS作成ツールを使う5つのメリット
WBSの概念を理解したうえで、専用のWBS作成ツールを導入することには大きなメリットがあります。
特にチームでのプロジェクト運営において、作業効率や精度の向上に直結する要素が多く含まれています。
ここでは、Excelでは実現しにくいWBS作成ツールならではの5つの利点について詳しく解説します。
1.プロジェクトの全体像が一目でわかる
WBS作成ツールの最大の魅力は、プロジェクトの構造や進行状況が視覚的にわかりやすいことです。
階層表示やガントチャート機能によって、タスクの順序や依存関係を直感的に把握できます。
たとえば、プロジェクト全体の流れを俯瞰しながら、個別のタスクの詳細を確認できるUIが用意されているため、関係者が全体の動きを共有しやすくなります。
プロジェクトマネージャーだけでなく、メンバー全員が同じ視点でタスクを認識できる点は、作業の精度向上に大きく貢献します。
2.チーム全体でリアルタイム共有・編集が可能
WBS作成ツールの多くはクラウド型であり、複数のメンバーが同時に編集や確認を行える機能を備えています。これにより、チーム全体の情報共有がスムーズになります。
たとえば、進捗状況や担当の変更が発生した際も即座に反映されるため、情報の遅延や認識のズレを防ぐことができます。
特にリモートワークや複数拠点で活動するチームにとって、リアルタイムな共同作業機能は不可欠です。
3.タスクの変更や追加も反映される
プロジェクト進行中にタスクの変更や追加が生じることはよくあります。WBS作成ツールでは、こうした変更にも柔軟に対応できる構造になっています。
たとえば、あるタスクを分割したり、新しい工程を追加したりしても、ツールが自動でスケジュールを調整したり依存関係を再構築したりする機能を備えているものが多くあります。
そのため、変更に強く、作業の遅延やミスを防ぐことができます。
4.視認性・操作性が高い
WBSツールは、設計段階からプロジェクト管理のために作られているため、Excelで作成したWBSに比べて視認性や操作性が非常に高いという特徴があります。
色分けやフィルタ機能、ドラッグ&ドロップでの並び替えなどが標準で備わっているため、操作に不慣れなユーザーでも直感的に使えます。
特に、タスクの階層表示やガントチャートとの連携は、視覚的に全体を把握するうえで大きな助けとなります。
Excelでは複雑な設定が必要なこれらの機能も、WBSツールでは簡単に扱えるのが大きな違いです。
5.外部ツールと連携できる
多くのWBS作成ツールは、外部のコミュニケーションツールやストレージサービスと連携することが可能です。これにより、プロジェクト運営の効率が大幅にアップします。
たとえば、SlackやGoogle Drive、Zoom、Notionなどと連携すれば、情報の一元化ができ、必要なデータへのアクセスもスムーズになります。
おすすめのWBS作成ツール7選
WBS作成ツールにはさまざまな選択肢がありますが、それぞれに特徴や強みがあります。
ここでは、プロジェクトの規模や目的に応じて選びやすいように、おすすめWBSツールを7つ厳選しました。
操作性や機能性、連携性に優れたツールを中心に紹介するので、自社に合うものを見つけてください。
monday.com
直感的なUIと高度なカスタマイズ性を兼ね備えたmonday.comは、初心者でもすぐに使いこなせる点が魅力です。
WBSのテンプレートが豊富に用意されており、プロジェクトの立ち上げがスムーズに行えます。
SlackやGoogle Workspace、Zoomなどとの連携も容易で、チーム全体の生産性を高める機能が充実しています。
特徴:
- AIによるスマートなタスク管理で、WBSの構築・調整がスムーズ
- モバイル対応で、現場や外出先でもWBSの進行状況を確認・編集可能
- 導入後も安心の充実したサポート体制で、社内定着をしっかり支援
【料金】無料プランあり。有料プランは月額1,300円~
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Asana
Asanaは、タスクベースでプロジェクトを管理したい企業に最適なツールです。
WBSの作成も柔軟で、タスクの階層構造を簡単に構築できるため、複雑なプロジェクトでも整理しやすい点が特徴です。
リマインダーやコメント機能も備えており、チーム内のコミュニケーションも効率化できます。
特徴:
- カレンダー・タイムライン・ガントチャートなど複数ビューに対応し、WBSを柔軟に可視化
- 進捗管理や目標設定機能により、タスクの遅延やボトルネックをリアルタイムで把握可能
- SlackやGoogle Workspaceなど外部サービスと連携でき、プロジェクト運用の効率が向上
【料金】無料プランあり。有料プランは月額1,200円~
Wrike
大企業向けに強みを持つWrikeは、大規模なプロジェクトや多部門での運用に適しています。
WBS作成機能では、階層化されたタスク構造や依存関係の設定が可能で、詳細な工程管理に対応できます。
また、セキュリティ面にも配慮されており、大企業の要件にも対応できる堅牢な設計となっています。
特徴:
- 複数部署間での情報共有や連携がしやすく、大規模プロジェクトにも対応
- 柔軟なワークフロー設定により、タスクの進行状況を部門ごとに最適化
- 詳細なレポート分析機能で、WBS全体の進捗や課題を的確に把握可能
【料金】無料プランあり。有料プランは月額10ドル~
ClickUp
ClickUpは、オールインワン型のプロジェクト管理ツールで、WBS作成機能も非常に充実しています。
また、AIによるタスクの自動割り当てやナレッジ管理機能など、他のツールにはない独自の機能が多く搭載されています。
カスタマイズ性も高いため、自社仕様に最適化したプロジェクト管理が実現できます。
特徴:
- タスク、ドキュメント、チャットなどを1つのプラットフォームで一元管理
- 柔軟なカスタマイズ性で、自社のWBS運用に合わせて最適な設計が可能
- プロジェクトに必要な機能を集約しており、成長フェーズの企業にも対応
【料金】無料プランあり。有料プランは月額7ドル~
Trello
Trelloは、シンプルで視覚的なかんばんボード方式が特徴のWBS作成ツールです。
初心者でもすぐに使い始められる操作性の良さが魅力で、小規模なチームや個人プロジェクトに適しています。
Power-Up(拡張機能)を活用することで、ガントチャート表示やカレンダー連携も可能になります。
特徴:
- かんばんボードでタスクを直感的に整理でき、WBSの可視化もシンプルに実現
- 操作がわかりやすく、初期設定や教育コストを抑えてすぐに導入可能
- 個人や小規模チームでのタスク管理に最適で、軽快な運用が可能
【料金】無料プランあり。有料プランは月額5ドル~
Redmine
Redmineは、オープンソース型のプロジェクト管理ツールであり、高度なカスタマイズや社内サーバーへの導入が可能です。WBS機能はプラグインを通じて追加できます。
特にIT企業や技術職の多いチームでは、自由度の高い設計とセキュリティ管理が魅力です。社内開発との連携や工数管理にも強く、技術的なバックグラウンドがある企業には適した選択肢といえます。
特徴:
- 自社サーバーでの運用が可能で、セキュリティや管理体制を自社基準で構築できる
- チケット管理やWikiなど、プロジェクト運営に必要な機能を標準搭載
- オープンソースならではの高いカスタマイズ性で、独自のWBS運用にも柔軟に対応
【料金】無料プランあり。有料プランは月額2,900円
Microsoft Project
Microsoft Projectは、WBSの作成・管理において最も歴史のあるツールのひとつであり、多機能性と正確性が特徴です。
スケジュール管理、リソース管理、コスト管理が統合されており、プロジェクトマネージャー向けの本格派ツールです。
ExcelやOutlookなどMicrosoft製品との互換性が高く、既存のMicrosoft環境との連携がスムーズです。
初心者にはやや操作が難しい部分もありますが、本格的なWBS管理を求める企業には最適です。
特徴:
- WBSやガントチャート機能を標準搭載し、詳細なスケジュール管理が可能
- ExcelやOutlookなどOffice製品との高い互換性で既存業務にスムーズに統合
- タスクごとの工数・予算管理にも対応し、プロジェクト全体のコスト把握が容易
【料金】Microsoft Plannerに含まれている。その他のプランで契約している場合は月額1,499円~
WBS作成ツールを選ぶ際のポイント
WBS作成ツールは数多く存在するため、どれを選べば良いのか迷うかもしれません。
自社のプロジェクトに最適なツールを選定するためには、いくつかの重要な観点があります。
ここでは、導入前にチェックすべき3つのポイントを具体的に解説します。
1.プロジェクトの規模に合っているか
まず最も重要なのは、プロジェクトの規模やチームの構成に合ったツールを選ぶことです。
小規模なプロジェクトであれば、Trelloのようなシンプルで視覚的なツールでも十分ですが、大規模プロジェクトでは高度な機能が必要になります。
たとえば、複数のチームが同時に動く場合は、依存関係の管理やタスクの階層化が簡単にできるツールが求められます。
プロジェクトの性質やチームの人数を踏まえ、必要な機能の優先順位を明確にしたうえで選定することが成功の鍵となります。
2.レポート機能があるか
WBSツールを選ぶ際には、レポートやダッシュボード機能が備わっているかどうかも重要な指標です。
これにより、進捗状況やタスクの遅延、リソース配分などを可視化でき、マネジメント層への報告もスムーズに行えます。
リアルタイムで状況を把握できるため、問題の早期発見や対応に役立つ点も大きなメリットです。
3.コストやプランが合っているか
機能が充実していても、コストが見合っていなければ導入の費用対効果は半減してしまいます。
WBS作成ツールは、無料プランから有料のエンタープライズプランまでさまざまな選択肢があります。
自社の予算に応じて、どの機能が必要で、どれが不要かを事前に精査することが大切です。
たとえば、初期導入は無料プランで試し、運用に慣れたら有料版へ移行するというステップも有効です。
ツールによってはトライアル期間もあるため、まずは試用して使用感を確かめることが失敗を避けるポイントとなります。
WBS作成ツール導入時の注意点
WBS作成ツールは非常に便利なものですが、導入の際にはいくつかの注意点があります。
ツール選定が適切でも、社内での活用がうまく進まなければ意味がありません。
ここでは、WBSツールをスムーズに導入し、効果的に活用するために押さえておきたい4つのポイントを紹介します。
1.導入前に社内ルールをチェックする
WBSツールを導入する前に、社内のITルールやセキュリティポリシーを確認することが必須です。
たとえば、クラウドサービスの利用を制限している企業では、ツールによっては利用不可となる可能性があります。
また、情報の取り扱いやプロジェクト進行に関するルールが定められている場合、ツールの使い方と整合性が取れていないとトラブルの原因になります。
導入後の混乱を避けるためにも、あらかじめ社内の関係部署と連携し、利用可否や運用ルールを確認しておくことが重要です。
2.サポート体制が整っているか
WBSツールの中には、海外製のサービスも多くあります。
そのため、日本語でのサポートやマニュアルが用意されているかどうかを事前に確認することが安心して導入するためのポイントです。
たとえば、操作に関する問い合わせが英語対応のみの場合、社内で対応できる人材が限られると問題が解決しにくくなります。
特に、社内のITスキルが高くないチームには、FAQやチャットサポートが充実しているツールを選ぶと運用がスムーズになります。
3.ツールを切り替える場合のデータ移行も考慮する
すでに他のツールを使ってプロジェクトの管理をしている場合、既存のデータを新しいWBSツールに移行できるかも重要なポイントです。
移行がスムーズにいかないと、プロジェクト進行に支障をきたす可能性があります。
たとえば、CSV形式でのインポート機能があれば、Excelや他のツールからタスクデータを取り込むことができます。
また、データ変換に対応したサポートがあるかどうかも事前に確認しておきましょう。
4.社内研修・マニュアル整備は必須
ツールを導入しただけでは使いこなせません。チーム全体がWBSツールを活用できるように、導入初期段階での研修やマニュアルの整備は不可欠です。
特に、多機能なツールほど操作が複雑になりがちです。
研修では基本操作やタスク登録の方法、進捗の確認方法など、日常業務で必要となる操作に絞って実施することが効果的です。
また、マニュアルはスクリーンショット付きで簡潔にまとめると、現場でも活用しやすくなります。
WBS作成ツールはmonday.comがおすすめ
WBS作成ツールの導入は、プロジェクト全体の効率や透明性を大きく向上させます。
その中でも、monday.comは直感的な操作性と多彩な機能を兼ね備え、初心者から経験者まで幅広く活用できる万能型のツールです。
タスクの可視化、リアルタイム共有、自動化機能、外部ツール連携といった機能が充実しており、プロジェクトマネジメントを根本から改善する力を持っています。
ツール選定の際には、プロジェクトの規模や目的に応じた機能性、使いやすさ、サポート体制などを慎重に見極めることが重要です。
monday.comはこれらすべての条件を高水準で満たしており、業種やチーム規模を問わず、多くの企業で実績を積み重ねています。
効率的なプロジェクト管理を目指す方は、ぜひmonday.comの導入を検討してみてください。
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著者:monday.com ブログ編集部
本記事は、タスク管理・プロジェクト管理のノウハウを発信する編集チームが執筆しています。