「プロジェクト管理って何から始めれば良いの?」「専用ツールは高そうだし、まずは無料でできる方法が知りたい」そんなお悩みをお持ちではありませんか?
身近なExcelでも、十分にプロジェクト管理は可能です。Excelを活用したプロジェクト管理は、Web制作、社内業務改善、IT導入プロジェクトなど、さまざまな場面で実践されています。
この記事では、Excelでできるプロジェクト管理の基本から、実践的なテンプレート、より効率化できるツールの紹介まで、初めてでもスムーズに実践できる内容を解説します。
Excelを活用して業務を整理し、チームの生産性を高めたい方は、ぜひ最後までお付き合いください。
Excelでのプロジェクト管理が向いているケースとは?基本の考え方
「そもそもプロジェクト管理って何?」「Excelで本当に管理できるの?」そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この章では、そもそもプロジェクト管理とは何か、Excelでプロジェクトを管理する際の基本的な考え方と、向いているケースについてご紹介していきます。
プロジェクト管理とは?
プロジェクト管理とは、決められた期限内に目標を達成するために、計画、進捗、人員、スケジュールを見える化し、ゴールまで確実に導く仕組みのことです。
例えばWeb制作を例にすると、「いつまでに」「どの作業を」「誰が担当して」「どのくらい進んでいるか」を整理し、チーム全体が同じゴールに向かって動けるようにする。それが、プロジェクト管理の基本的な役割です。
よく混同されるものに「タスク管理」がありますが、タスク管理は「今日やること」といった作業単位の管理なのに対し、プロジェクト管理は「3カ月後の目標達成」といった目的達成単位での管理である、という違いがあります。
Excelでできること・できないこと
プロジェクト管理にExcelを使う場合、具体的にどのようなことができて、逆にどのようなことが難しいのでしょうか?
Excelは自由度の高いツールですが、万能ではありません。目的に応じた使い方を理解しておくことが重要です。
Excelでできること
・タスクの一覧化:作業内容や担当者、期限などを一覧形式で整理できる。
・進捗ステータスの可視化:未着手、進行中、完了などの進捗状況を可視化することで、どの作業がどこまで進んでいるかを一目で把握できる。
・日程管理:タスクと日付を対応させて簡易的なガントチャートとして運用できる。
Excelでできないこと
・リアルタイムでの情報共有:ローカルファイルのままだと、リアルタイムで情報の共有ができないため、常に最新版のファイルを共有するのが難しい。
・リマインド機能や自動通知:期限が近づいても、自動でアラートを出す仕組みはない。
・複数人での同時作業:複数名による同時編集には不向きで、同時入力時にデータが上書きされるなどのリスクも高い。
このように、Excelにはプロジェクト管理における基本的な機能が備わっており、一定の業務範囲では十分に活用できます。ただし、リアルタイムの連携や自動化など、チーム全体での運用を求める場面では、どうしても限界が出てくるのが実情です。
運用規模やチーム体制に応じて、専用ツールの導入も検討すると良いでしょう。
Excelが向いているのはこんなケース
では、どのようなプロジェクトであれば、Excelでの管理が現実的なのでしょうか?Excelでのプロジェクト管理が向いているのは、次のようなケースです。
・少人数のチームや、短期間のプロジェクト:タスク量が多すぎず、情報のやり取りも少ない場合、Excelで十分対応可能。
・ITツールの操作に不慣れなメンバーがいる:新しいツールを導入すると、操作説明や教育の手間がかかることも。Excelであれば、多くの人が基本操作に慣れているため、スムーズに運用できる。
・社内で既にExcel文化が定着している:日常的にExcelで報告書や業務管理を行っている企業では、新たなツールよりも迅速に導入できる。
Excelでのプロジェクト管理方法|基本の使い方とテンプレート例
ここまで、Excelを使ったプロジェクト管理について、その活用可能な範囲を整理してきました。では実際に、どのような方法でタスクや進捗を管理していけば良いのでしょうか。
この章では、プロジェクトの基本的な設計図となるWBSや、スケジュールを一目で把握できるガントチャート、日々の作業を整理するToDoリストの3つに焦点をあて、それぞれの基本的な作成方法をご紹介します。
WBS(作業分解構成図)
WBSとは「Work Breakdown Structure(作業分解構成図)」の略称で、プロジェクト全体を細かな作業単位に分解し、「何を、どの順番で進めるか」を整理するための図です。
例えば、Webサイト制作プロジェクトの場合、作業は以下のように分解できます。
- 企画、設計
1-1.要件ヒアリング
1-2.コンテンツ構成案の作成 - デザイン、開発
2-1.ワイヤーフレーム作成
2-2.ビジュアルデザイン作成
2-3.システム開発 - 実装
3-1.コーディング
3-2.テスト、修正
このように階層構造を持たせることで、タスクの抜け漏れやスケジュールのズレを防ぎやすくなります。
Excelでの作り方
ExcelでWBSを作成する際は、次のような形式にまとめると、情報がすっきり整理されて見やすくなります。
タスク番号 | 作業工程 | 担当者 | 予定開始日 | 予定終了日 | ステータス |
---|---|---|---|---|---|
1 | 企画 | 田中 | 7/1 | 7/5 | 完了 |
1-1 | 要件ヒアリング | 鈴木 | 7/1 | 7/2 | 完了 |
1-2 | コンテンツ構成案 | 山本 | 7/3 | 7/5 | 完了 |
2 | デザイン | 佐藤 | 7/6 | 7/12 | 進行中 |
2-1 | ワイヤーフレーム | 佐藤 | 7/6 | 7/8 | 進行中 |
階層的なタスク番号(1、1.1、1.2など)を用いることで、作業の親子関係が明確になります。担当者やスケジュール、進捗状況も一緒に管理できるため、チーム全体で共通認識を持ちやすくなるのが大きなメリットです。
とはいえ、「こういう表をゼロから作るのは少しハードルが高そう……」と感じる方も多いかもしれません。そんなときは、あらかじめ作成されたWBS用のExcelテンプレートを活用するのがおすすめです。
インターネット上にはさまざまなWBSのサンプルが公開されているので、こうしたテンプレートをベースにすれば、初めてでも手軽にWBSを組み立てることが可能です。
今すぐ無料WBSテンプレートをダウンロードするガントチャート
「誰が、いつ、どの作業を担当しているのか?」を一目で確認できるガントチャートは、プロジェクト管理において非常に便利な手法です。
Excelでの作り方
まずは、以下のような表を作成します。
タスク名 | 担当者 | 開始日 | 終了日 | 7/1 | 7/2 | 7/3 | 7/4 | 7/5 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
要件ヒアリング | 鈴木 | 7/1 | 7/2 | ■ | ■ | |||
コンテンツ構成案 | 山本 | 7/3 | 7/5 | ■ | ■ | ■ |
※■は塗りつぶしで表現(条件付き書式または手動)
タスクを行に、日付を列に並べることで、ガントチャートのような形式を再現することが可能です。作業期間に合わせてセルを塗りつぶせば、シンプルながら実用的なスケジュール表になります。
開始日と終了日に応じてセルの背景色を自動的に変えるには、「条件付き書式」を活用しましょう。数式を使用して書式設定を行えば、作業期間のセルだけが自動で色づきます。
ExcelのテンプレートはこちらToDoリスト、進捗チェックリスト
日々のタスク管理には、「ToDoリスト」や「進捗チェックリスト」が非常に役立ちます。Excelでも、チェックボックスや進捗率(%)といった項目を追加するだけで、直感的に使えるタスク管理表を作成することが可能です。
Excelでの作り方
タスク名 | 担当者 | 期限 | 優先度 | チェック | 進捗率 |
---|---|---|---|---|---|
コンテンツ構成案 | 山本 | 7/5 | 高 | 〇 | 100% |
ワイヤーフレーム作成 | 佐藤 | 7/8 | 中 | 〇 | 60% |
テスト実施 | 鈴木 | 7/12 | 低 | 0% |
このように構成しておけば、どの作業が優先か、まだ手がついていないタスクはどれか、などの情報がすぐに把握でき、日々の業務における判断や対応がスムーズになります。
ExcelのテンプレートはこちらExcel管理の限界と注意点
ここまで見てきたように、Excelはプロジェクト管理の入り口として非常に優れたツールです。操作に慣れている方も多く、導入コストもかからないことから、「まずはExcelで始めてみよう」と考える企業やチームは少なくありません。
ただし、順調に使い始めたものの、プロジェクトが進んでタスクの数や関係者が増えてくると、「だんだん管理が追いつかなくなってきた」と感じるケースも多く見られます。
そこでこの章では、Excelだけでの管理でよく発生するデメリットについて、具体例を交えてご紹介します。
1. ファイル共有が面倒
Excelファイルを複数人で扱う場合、メールに添付したり、社内サーバーにアップロードしたりと、都度手間が発生します。
その結果、「最新版がどれかわからない」「同時編集ができない」といった事態が起こりやすくなります。
2. 変更の履歴が追えない
誰がいつ、どこを編集したのかがわかりづらいのも、Excelの弱点の一つです。
クラウド版Excelではバージョン履歴の確認は可能ですが、細かな差分表示や「誰がどこを編集したか」の追跡は限定的です。「いつの間にかタスクが消えていた」「入力内容が変更されていた」といったことが起きても、原因をすぐに特定できず、トラブルの火種になりかねません。
3. 外出先やモバイルで扱いづらい
Excelのモバイルアプリを使えば、出先でも内容の確認や簡易編集は可能です。ただし、通知の受け取りやタスクのステータス管理といった操作がやや複雑で、モバイル対応に特化したツールに比べると、操作性は劣ります。
その結果、移動中に進捗を確認したいと思っても、操作性や表示崩れがネックになり、作業が後回しになることもあります。
4. タスクや担当者が増えるとミスが発生しやすい
プロジェクトの規模が拡大し、タスク数や関係者が増えてくると、Excel上の情報が煩雑になりがちです。
「誰がどのタスクを担当していたかわからない」「スケジュール変更がすべての表に反映できていない」といった事態が発生し、抜け漏れや作業の重複にも繋がります。
このように、Excelは小規模かつ短期間のプロジェクトにはとても有効ですが、中〜大規模、あるいは長期的なプロジェクトでは限界を感じるケースが少なくありません。
もし管理上のストレスやミスが増えてきたと感じたら、より専門的なプロジェクト管理ツールの導入を検討するタイミングかもしれません。
monday.comなら、Excel感覚でプロジェクト管理がもっと楽に
「Excelでは限界を感じるけれど、いきなり高度なツールを導入するのはハードルが高い・・・」
そんな風に感じている方におすすめなのが、monday.comです。monday.comは、Excelのような表形式の操作感はそのままに、プロジェクト管理に必要な機能が備わった、クラウド型のプロジェクト管理ツールです。
ここでは、monday.comの機能の中でも、特にExcelユーザーにとって使いやすいポイントをご紹介します。
Excelとの親和性が高いインターフェース
monday.comの大きな特徴の一つが、Excelに近い操作感を持っていることです。情報を行と列で管理する表形式の画面は、普段からExcelを使い慣れている方にとって非常に親しみやすく、見慣れた感覚で操作することができます。
例えば、セルに直接文字を入力したり、行のコピー&ペースト、複数列の並び替えやフィルターといった操作が、マウスとキーボードだけでスムーズに行えます。
ガントチャートやWBSをノーコードで簡単作成
monday.comには、プロジェクトの進捗状況を視覚的に把握できるガントチャート機能が標準で備わっています。特別な関数や複雑な設定を行う必要はなく、画面上部の「ガントビュー」ボタンをクリックするだけで、スケジュール全体をガントチャート形式で表示できます。
また、タスク同士の依存関係を線で繋いだり、WBSのような階層構造でタスクを整理する作業も、すべてノーコードで対応可能です。
テンプレート機能と自動化で抜け漏れを防ぐ
monday.comには、すぐに使い始められる業務別のテンプレートが豊富に用意されています。プロジェクトの種類や目的に応じてテンプレートを選ぶだけで、数分で管理ボードを立ち上げることができるため、「まず試してみたい」という方にも最適です。
さらに、各テンプレートは自社の業務フローに合わせて自由にカスタマイズ可能。項目の追加や並び替えはもちろんのこと、通知やアラートといった自動化のルールも簡単に設定できます。
例えば、締切が近いタスクがある場合、担当者に自動でメール通知を送信したり、未更新のタスクを毎週まとめて通知するといった設定を行っておけば、作業の抜け漏れも防げます。
このようにmonday.comなら、Excelの操作感を活かしつつ、手間のかかる作業を自動化できます。日々の業務を効率よく進めたい方にとって、非常に心強い選択肢となるはずです。
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Excelとmonday.comの連携方法
「monday.comを使ってみたいけれど、これまでのExcel管理が無駄にならないか心配……」
そんな方も、ご安心ください。monday.comは、Excelとの高い互換性を備えており、これまで使ってきたスプレッドシートをそのまま活かすことができます。
データの取り込み方法もシンプルで、特別な準備は必要ありません。以下の手順で、数分で完了します。
- メニュー左側の「+新規」内、「Excelからインポート」を選択
- ファイルをアップロード
- 各列(担当者、日付、ステータスなど)を正しく配置
- 「インポート完了」をクリックして完成
日付やステータスの列も自動的に適切な形式に変換されるため、手作業で修正する手間もほとんどありません。今まで使っていたデータをそのまま引き継ぐため、スムーズに移行を進められます。
将来に備えてツール導入を検討しよう
この記事では、Excelを使ったプロジェクト管理の基本から、具体的な作成例、そしてより効率的に業務を進めるための支援ツールまでをご紹介してきました。
繰り返しになりますが、Excelはプロジェクト管理のスタート地点として非常に優秀なツールです。
特に、少人数体制や短期間のプロジェクト、またすでにExcelを日常的に使っている職場であれば、導入コストをかけずにすぐ取り組めるという大きな強みがあります。
しかし、ファイル共有やリアルタイムな連携、タスク数の増加といった場面では、どうしても限界が見えてくるのも事実です。そうしたときには、monday.comのようなクラウド型の管理ツールを導入することで、より快適に、ミスの少ないプロジェクト運営が可能になります。
プロジェクト管理は、完璧を目指すよりも、まず始めてみることが重要です。この記事の内容を活かして、あなたも今日から、プロジェクト管理の第一歩を踏み出してみませんか?
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本記事は、タスク管理・プロジェクト管理のノウハウを発信する編集チームが執筆しています。