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【2023年最新】スプリント計画を最適化する方法

Satoko Shimooka 10 分 で読めます
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スクラムはアジャイル開発手法のひとつとして代表的なフレームワークです。でも、どんなに優れたスクラムチームでも進行が滞ってしまう場合があります。たいてい、その主な原因は時間の管理がうまくいっていないこと。アジャイルの手法とスクラムフレームワークはそもそも時間を節約するためのものなのに、そこがうまく機能していないのです。

これは、プロジェクト管理の素人から最も熟練したスクラムマスターまで、すべての人が経験しうる問題です。

幸いなことに、その兆候は早い段階で察知することができます。問題はタイムボックス(明確な目標を設定した時間管理の手法)が尊重されなくなったときに始まります。スプリント計画会議の前後にはタイムボックスを配置するのが通常ですが、これは単に形式的なものではありません。文字通り、スクラムは定義されたタイムフレームがなければ成り立ちません。しかし、事前に決められたタイムボックス内にすべてを完了できない場合はどうすればいいでしょうか?難しいですよね。これこそが、誰もがスクラムフレームワークを正しく理解しているわけではない理由です。

そこでこの記事では、スプリント計画の時間を最大限に活用する方法を解説します。

スプリント計画を行うタイミング

まず、スクラムの基礎を簡単に振り返っておきましょう。スクラムフレームワークは、プロジェクトをスプリントと呼ばれる小さなセクションに分割し、通常は1~4週間の期間で進めていきます。各スプリントの開始時には会議を開き、これからの計画について話し合います。

スプリント計画中に、プロジェクトチームはプロダクトバックログに記録された作業をレビューし、リスト内のどのアイテムを次のスプリントで取り組むかを判断します。そして、すべてのスプリントの完了時にプロジェクトチームはレトロスペクティブ会議を行い、うまくいった点や改善を要する点について話し合います。

その後、次のスプリント計画セッションから次のスプリントが始まります。スクラムチーム全員が、スクラムマスターとプロダクトオーナーと一緒にスプリント計画に参加する必要があります。また、可能であればスプリント計画を週の初めに行うことで、4日間連続して生産性を発揮できるようになります。

現時点では、スプリント計画はそれぞれのスプリントから始まるということを覚えておいてください。

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スプリント計画の内容

スプリント計画のセッションでは、スクラムチームが達成できることに基づいてスプリントの内容を定義します。こうしてスプリントの計画目標を共有することで、チーム全体を団結させる効果も期待できます。

通常は、スプリント計画会議の冒頭でプロダクトオーナーがスプリントの目標を発表します。プロダクトオーナーは、チームが取り組んでいるすべての作業がプロダクトに付加価値をもたらすようにする責任があり、それを達成するために必要な目標を決定します。

たとえば、プロジェクトが SaaS Web アプリの構築である場合、プロダクトオーナーが「スプリントの終了までにユーザーダッシュボードをローンチする」という目標を設定したとします。そして、この目標を元にしてアプリの価値を関係者に実証します。チームは、スプリント目標をガイドラインとして使用して、スプリント中にプロダクトバックログのどのアイテムに取り組むかを決定します。

プロダクトバックログには、プロジェクト全体に対する開発チームのすべての目標が集約されます。しかし、すべてのプロダクトバックログアイテムを1つのスプリントで処理することは不可能です。それぞれのスプリントで目標を立て、これらのアイテムに優先順位をつけるのが鉄則です。

スプリント計画では交渉がひとつの軸となります。
プロダクトオーナーが最初に条件を共有し、スクラムチームが
自分たちができることについてオファーする形で応答します。

このプロセスを、双方が納得するまで(少なくとも可能な限り)繰り返します。スプリントの仕組みを活用すれば、プロダクトオーナーは価値を実証するために十分な新機能を得ることができますし、プロジェクトチームは仕事を小分けにすることで質の高いアプリの構築にじっくり取り組めます。

monday.com のスプリント計画テンプレートは、情報が視覚的に整理された良い例です。

monday.com のプロジェクト管理ボード

スプリント計画の話し合いが進むにつれて、スクラムチームリーダーとプロダクトオーナーがダッシュボードのアイテムを移動させ、全員で決定した内容をボード上に反映します。

プロダクトオーナーとしてはスプリントの終了までにユーザーダッシュボードを完成させたいところではありますが、実際のところダッシュボードの作成と設定には2週間以上の時間を要します。そのため、オーナーが関係者や株主に進捗を示す必要がある場合に備えて、中身は空のままでダッシュボードの枠組みだけをまず作成しておくことにします。

プロジェクトを進めるためには絶妙なバランス感覚が必要ですが、いくつかのコツを押さえておけば全員にとって効果的なスプリント計画セッションを構築することができます。

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スプリント計画をうまく進めるコツ

monday.com チームもこれまでの努力と多くの失敗を経て、スプリント計画について学んできました。このセクションでは、過去の経験から習得したスプリント計画のベストプラクティスを抜粋してご紹介します。

monday.com Work OS の活用法も交えて解説しますので、ぜひ続きをお読みください。

1. バックログを整理する

スプリント計画会議を効率的に行うための最善の方法のひとつは、事前に2回目の個別の会議を開くことです。会議を何度も行うというのはアジャイル的ではないと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、これには大きな意味があります。

まず、スクラムチーム全員が参加する必要はありません。事前会議は、プロジェクトマネージャー (またはスクラムマスター) とプロダクトオーナーのみの小規模な集まりで十分です。事前に話し合いの場を設けておくことで、予期せぬ事態が発生した場合に、スプリント計画が計画通りにいかないリスクを予測することができます。

たとえば、スプリント計画の途中で、プロジェクトチームの何人かのメンバーがバックログ上のストーリーについて協議していたとします。そのストーリーの意味について意見が一致しない場合もあるでしょうし、スプリント全体の中でそのストーリーがどこに位置するかについて、完全に読み間違っていたということもあり得ます。

このような場合、スプリント計画セッションは確実にタイムボックスをオーバーしてしまうでしょう。

多くのアジャイルプロジェクトチームは、この負のスパイラルを回避するために、バックロググルーミング、バックログリファインメント、またはストーリータイムと呼ばれる手法を採用しています。

プライベートのバックロググルーミング(見直し)セッションは、チームリーダーがバックログを再編成して、最新の戦略的な優先事項を反映する場です。また、あいまいなストーリーに明確なコンテキストを追加することもできます。

場合によっては、バックロググルーミングセッションにチームを招待することもできます。この場合、各ストーリーをスプリント計画に組み込む前に、セッション内でそのストーリーについて質問する機会が与えられます。しかし、チームの生産的な時間をあまり浪費したくないという場合は別の方法もあります。それが、monday.com の機能バックログテンプレートです。

小規模なバックロググルーミングセッション中に、チームリーダーとプロダクトオーナーはテンプレートを更新することができます。チームのメンバーは誰でもログインして、すぐに加えられた変更を確認することができます。

こうすることで、スプリント計画の現状をすばやく視覚的にテンプレートに落とし込み、全員で同じ認識を共有することができます。プロジェクトマネージャーの方は、チームからの質問に対してオープンに対応するようにしましょう。

2. レトロスペクティブ会議を個別に設定する

また会議?と思った方もご安心ください。重要なのは会議の数ではなく、非効率な会議を減らしていくことです。

通常の会議はもちろん、スタンドアップ、1対1など、あらゆる種類の会議を厳密に管理し、最大限の効果が得られるタイミングで行うことが重要です。

そのため、スプリント計画会議とレトロスペクティブ会議の時間は必ず分けて設定します。

プロジェクトマネージャー的な思考では、同時に行うことで時間を節約できると考えがちです。1つのスプリントが終わり、別のスプリントが始まるタイミングで、できるだけ両スプリントの間に無駄な時間をあけたくないと考える人もいるでしょう。しかし、このアプローチには2つの問題点が潜んでいます。

まず、2種類の異なる会議を同時に行うとそもそもの長さが2倍になり、重要な計画作業が始まる時に注意力を欠いてしまう危険性があります。それに、スプリント間のブレイクはまったく無駄ではありません。レトロスペクティブ会議と計画の間の時間は、実際にはさまざまな情報を処理するためのとても重要なタイミングなのですから。

この期間中、チームメンバーは自分自身で前のスプリントから得たことを振り返り、それらの教訓に基づいて行動する方法を試すことができます。

レトロスペクティブ会議では、monday.com のスプリント・レトロスペクティブ会議テンプレートを使用してチーム全員の考えを整理しましょう。

2つの会議を同じ日に行う場合は、少なくともランチタイムを挟むことをおすすめします。さらにおすすめなのは、金曜日の午後にレトロスペクティブ会議でスプリントの週を締めくくり、月曜日の午前に計画セッションを設けて、新しい週とスプリントをフレッシュにスタートすることです。

最後のスプリントから得た教訓をテンプレートにしっかりと反映させたら、チームメンバーもすぐに進め方を体得してくれることでしょう。

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3. バックログのアイテムごとに値を割り当てる

プロダクトオーナーがスプリント目標を設定したら、チームでその目標をどれだけ実現できるかを決めていきます。

ここでは、このフェーズで知っておくべき用語をいくつかご紹介します。

ベロシティはスプリント計画の基本単位で、チームが平均スプリント中にどれだけのことを達成できるかを測定します。チーム全員が自分のベロシティを把握しておく必要があります。

ストーリーポイントは、スプリント計画をゲーム化するためによく用いられます。タスクまたはストーリーのポイント値は、完了するまでにどれだけの作業が必要かを示す相対的な尺度です。

ストーリーポイント(SP)はタスクにかかる時間を具体的に見積もるのが難しい場合でも、作業量を比較するために役立ちます。

スクラムポーカー、またプランニングポーカーは、ストーリーポイントを割り当てるために使用されるプロセスです。プレイの手順は次の通りです。

  1. 各チームメンバーに、片面に1〜10の番号が印刷されたカードを渡します。
  2. スプリント目標の一部であると判断したすべてのバックログアイテムを取り、一度に1つずつ発表します。
  3. 各アイテム用に、チームメンバー全員がストーリーポイントの見積もりを記載した裏向きのカードを置きます。
  4. チームリーダーがカードをシャッフルして裏返します。すべての見積もりが比較的近い場合(たとえば、すべて3、4、5)、数値を平均して最終見積もりを出します。
  5. 見積もりが離れている場合(たとえば、同じタスクに2と9)、外れ値の数値を記載した全員がその数値を主張します。そして順番に、自分の付けた数値の理由について議論します。
  6. 合意するまでステップ3〜5を繰り返します。
  7. 現在のスプリント目標に適合するすべてのバックログタスクを完了するまで、次のアイテムに進みます。

スクラムポーカーは、全員の意見を聞きながら合意に達するための便利な手法です。上記の解説が現段階では複雑すぎると感じる場合は、monday.com のスクラム計画テンプレートをぜひご活用ください。

monday.com のイテレーションプランニングボード

 

プランニングポーカーなど、ストーリーポイントを割り当てるゲーム用にカスタマイズすることもできます。

すべてのタスクにストーリーポイントを割り当てたら、スプリントの最終スコープが見えてきます。その後は、チームにタスクを割り当てて開始するだけです。

4. 一定期間のデータを収集する

スプリントはそれ自体が独立したものではありません。各スプリントは、前のスプリントのイテレーションです。スプリントごとに、チームのベロシティについてより正確な情報が得られます。

過去のベロシティを理解すればするほど、より正確に将来を予測することができます。たとえば、monday.com の R&D チームでは、1ストーリーポイントが1人の開発者のおよそ1日の作業時間に相当するというアプローチを採用しています。10日間のスプリントには、各開発者に9ストーリーポイントの作業を割り当て、バグや予期しない遅延に対処するために1日の空き時間を設けています。

このような情報を保管しておきたい場合は、デイリータスクマネージャーのテンプレートが役立ちます。

チームメンバーが毎日の終わりにこのボードを定期的に更新することで、全員のベロシティに関する大規模なデータがすぐにボードで確認できるようになります。

スプリント計画後のステップ

スプリント計画会議の後は、チームが下したすべての決定をきちんと記録しておきましょう。スプリントのスコープ、全員の個別タスク、バックログへのすべての変更、その他発生したものがあれば必ず更新してください。

一見大変な作業のように思えますが(実際大変です…)、チームリーダーはセッション後のまとめに丸一日を費やすこともあります。でも、monday.com をご存知の皆さんは心配いりません。monday.com Work OS は、高度なワークフロー自動化機能でこのデータ整理をしっかりとサポートします。プロジェクトマネージャー経験者によって構築されたプラットフォームだからこそ、プロジェクトの時間を効率的に使えるよう工夫が施されています。

もし、すべてのストーリーポイントの見積もりが、ハイレベルのプロジェクトロードマップで自動的に更新されたらどうでしょう。あるいは、チームメンバーが担当するすべてのタスクを毎日のタスクトラッカーに自動で入力できたら?便利なことこの上ありませんね。

Work OS では、リンクされたテンプレートが相互に更新されるため、プロジェクトの進捗状況に関するすべての記録が常に最新の状態で表示されます。

おわりに

いかがでしたか?効率的なスプリント計画を行う上で最も重要なカギは、事前に計画を立ててから会議に臨むことです。次に、理想的なスクラムを完璧に組み立てることではなく、実際のチームメンバーに焦点を当てた計画を心がけましょう。

チームの状況を把握するための十分なデータを収集することで、スプリント計画を確実に前に進めることができます。肯定的なフィードバックループにより、次の開発への信頼度も高まるでしょう。

今すぐ monday.com のテンプレートをチェックして、チームでの目標達成に役立つツールを構築しましょう。

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