プロジェクト管理を担当されている皆さんは、ハウツー記事、初心者向けガイド、総合ガイドといった関連記事をおそらくすでにたくさん読まれたことでしょう。しかし、プロジェクト管理において見落とされがちなのがリソース管理の重要性です。まずはリソース管理について知り、それがプロジェクトポートフォリオの成功にどう影響するのかを見ていきましょう。
この記事では、リソース管理とは何かとその重要性、リソースマネージャーの役割、そして monday work management を使用してリソース管理計画を遂行する方法について説明します。
リソース管理とは
リソース管理とは、今後のプロジェクトに備えて、人材、スキル、資金、ツールなどのリソースの計画、スケジュール設定、配分を行うことです。その目標は、リソースを適切に管理してビジネスに価値をもたらすことです。
通常、プロジェクトマネージャーは、利用可能なリソース(=資産)を次の2つのカテゴリーに分類します。
- 有形資産:見たり触れたりできる資産のことです。これには、労働力、機械、資源、ソフトウェア、資金などが含まれます。
- 無形資産:より抽象的なものを指します。無形リソースには、知的財産(技術特許など)、アイデア、仕事を完了するために必要な特定のスキルなどが含まれます。
プロジェクト管理でリソース管理が重要な理由
リソース管理が重要なのは、プロジェクトを完了するために必要なものを正確に計画して評価できるからです。この無駄のないアプローチにより効率が向上し、必要に応じてリソースを再利用およびリサイクルできるようになります。
プロジェクト管理でリソース管理をどのように活用するかが分かる実例を見てみましょう。たとえば、クライアント向けの新しいソフトウェアアプリケーションを開発していて、3か月で完成品を納品しなければならないとします。そのために、プロジェクトの最初にチームのスキルと活動可能時間を計画し、それに基づいてタスクを割り当てます。プロジェクトが始まったら個々のタスクの状況を追跡し、遅延が発生しそうな場合は発生前に解決するよう努めます。
たとえば、チームメンバーの1人が体調不良で休んだ場合も、そのタスクを別の同僚に即座に割り当てることができます。ノートパソコンが故障しても、別の端末を使用できるため遅延は発生しません。リソース管理をしっかりと行っていれば納期を守り、予算内で成果物を納品することができます。クライアントにもきちんと仕事ができるチームだという印象が伝わるため、次の開発プロジェクトの継続依頼にもつながるかもしれません。
リソース管理とはこの通り、プロジェクトチームの時間、資金、手間をできる限り省くための効率的な手段だと考えましょう。
リソースマネージャーの役割
リソースマネージャーはプロジェクトマネージャーとよく似ていますが、決定的な違いが1つあります。
- プロジェクトマネージャーは、仕事を完了するためのタスクの作成と割り当てに焦点を置いている
- リソースマネージャーは、これらのタスクを完了するために必要なリソースを割り当てる責任がある
小規模チームでは、同じ人がプロジェクトマネージャーとリソースマネージャーの役割を掛け持つ場合がありますが、これらはまったく異なる役割であることを覚えておいてください。
リソース管理の進め方
では、リソース管理を効果的に進めるために重要な6つの手法についてご説明します。今回覚えておいていただきたいのはリソース予測、リソース計画、リソース配分、リソーススケジューリング、リソース平準化、およびリソース円滑化の6つです。
1. リソース予測
リソース予測は、将来のリソース要件を予測するものです。正確な予測により無駄を省き、より迅速かつ安価にプロジェクトを遂行できるようになります。
将来のリソース要件を予測するには、プロジェクトのライフサイクルに精通し、組織内で利用可能なリソースを正確に把握する必要があります。業務管理ソリューションは、このレベルの情報を可視化するだけでなく、プロジェクトやリソース全体を1か所にまとめて簡単にアクセスできるようにします。
2. リソース計画
リソース計画とは、プロジェクト完了に必要なリソース(人材、時間、資金など)を把握し、適切なリソースが適切なタイミングで適切な場所に配置されるようにすることです。適切なリソース計画により、チームは組織化され、効率的にあらゆる課題に取り組むことができるようになります。
3. リソース配分
リソース配分とは、利用可能なリソースを最大限に活用することです。これは、自由に使えるすべてのリソースを評価し、それらを効率的に使用する方法を分析し、チームの作業に割り当てることを指します。
4. リソーススケジューリング
リソーススケジューリングは、従業員、設備、施設などのリソースを、いつ、どこで使用するかという綿密な計画を立てるプロセスです。すべてのリソースをタイムライン内に配置し、タスクとプロジェクトが予定通りに、衝突することなく完了することに重点を置いています。リソーススケジューリングを行う際にはリソースカレンダーが役立ちます。カレンダーを活用してプロジェクトのマイルストーンや期日を逐一確認し、すべてのプロジェクトリソースのスケジューリング、管理、配分を行うことができます。
5. リソース平準化
リソース平準化は、マネージャーが十分に使用されていないリソースや誤って配分されているリソースを特定し、それらを再配分して効率を最適化するために使用する方法です。在庫の場合は不足や過剰がないことを確認します。また、全体のコストを平準化するためにプロジェクトのタイムラインを延長することもできます。たとえば、費用対効果の高い資材が入手可能になるまで待つ必要がある場合などがこれに該当します。
6. リソース円滑化
リソース円滑化(リソーススムージング)は、一定期間においてリソースができるだけ均等に分散されるようにすることを目的としています。これがうまくいけば、リソースの過剰使用や使用不足による変動を最小限に抑えながら、プロジェクトの期日を守って目標を達成することができます。この段階では、リソースの使用状況が激しく変動することを避けるためにプロジェクトのアクティビティの開始日と終了日を変更しても構いません。
ノーコードで使用できるユーザーフレンドリーなビジュアルインターフェースを備えた monday work management なら、リソースの予測、配分、スケジューリング、平準化、円滑化のプロセスをより簡単に行えるようになります。まずは無料でお試しいただき、実際の業務に当てはめてみてください。
プロジェクト管理における5つのリソースの種類
一般的に、プロジェクトマネージャー(またはリソースマネージャー)が知っておくべきプロジェクト管理リソースは以下の5つです。
1. 人材
プロジェクトタスクを実行するチームの人材は「人的資源」とも呼ばれます。人事(HR)部門の仕事を想像していただければお分かりの通り、求人採用や時間管理から、KPI に対する従業員のパフォーマンスや仕事量の測定まで、人材に関しては幅広い管理タスクが発生します。そのため、人材を起用してプロジェクトを遂行するにはリソース管理が欠かせません。
monday work management は、求人応募を集める WorkForms、チームの仕事量を監視する時間追跡ウィジェット、迅速かつ組織的に作業を開始できる人事向けのさまざまなテンプレートが用意されているため、包括的なリソース管理ソフトウェアとして使用できます。
2. 物的リソース
プロジェクトの資材とは、チームがタスクを完了するために必要な有形のリソース、つまり消耗品(たとえば、建築業プロジェクトに使用されるコンポーネント部品など)を指します。
かなり大規模なプロジェクトの場合、スプレッドシートで数十のアイテムを追跡するのは難しいと感じるかもしれません。そこで役に立つのが monday work management です。
マップビューを使用すれば誰もが資材の正確な場所を確認でき、ワークフローテンプレートでさまざまな資材タイプのラベルを共有できます。また、ガント、かんばん、作業カレンダー、ダッシュボードビューなどからお好みの表示方法を選択して、いつでもすぐにリソースのステータスを確認できます。
3. 機材
プロジェクト管理において混同しがちな単語が「機材」と「資材」です。これら2つに重複する部分はいくつかありますが、資材はプロジェクト内で使い切るのに対し、機材はプロジェクトが終了しても残っているという点が根本的な違いです。たとえば、壁を建設している場合、プロジェクト終了までにレンガはすべて使い切りますが、コテやシャベルなどは残ります。
4. 資金
プロジェクト予算の正確な管理は、最も難しい課題の1つです。プロジェクトマネージャーが担う資金管理には、支出の把握、コストの予測、また場合によっては予算内に収まるように戦略的な決断を下すことが含まれます。
5. 時間
時間管理もプロジェクトマネージャーにとっての大切な業務のひとつです。プロジェクトとチームのスケジュールとタイムラインを作成し、タスクを追跡して期日を確実に守らなければいけません。このためにタスクに優先順位を付け、遅延を回避できるよう進捗状況を注意深く監視する必要があります。
リソース管理のメリット
リソース管理というと、長期的なプロジェクトを行う上で追加されるおまけのステップのように聞こえますが、どんなプロジェクトであっても資産を最適化して最大限に活用するために必要不可欠な手法です。
ここからは、リソース管理に先行投資すると得られるメリットのトップ5をご紹介します。
1. 予期せぬ問題を回避できる
プロフェッショナルサービス企業の59%は、「プロジェクトのリソースの必要性を予測できない」ことがビジネスの最大の課題であると考えています。しかし、自社が持っているものとそれをどのように活用するかということを時間をかけてきちんと理解することで、潜在的な問題が発生する前にそれを予測できるようになるため、プロジェクト進行中に起こりうる問題の回避につながります。
2. チームの燃え尽き症候群を最小限に抑える
リソースを過剰配分してしまうとチームの生産性低下につながります。効果的にリソース管理を行うことで、この状況を回避できます。
リソース管理を行うことで、チーム全員が必要なものを必要なときに正確に入手できるようになります。これは職場の満足度に影響を与える非常に重要な要素でもあり、特にチームメンバーが複数のプロジェクトに取り組んでいる場合に効果を発揮します。
3. チームの効率向上を支援する
リソースの配分を最適化することで、チームは期日内にタスクを完了しやすくなります。リソースの無駄を削減し、予定通りに予算内でプロジェクトを完了できる可能性を高めましょう。
4. セーフティネットとして活用する
たとえば、リソース不足によりプロジェクトの目標を達成できなかったとします。これはどのプロジェクトでも起こりうることですが、リソース管理のボードなどを提示してリソースを適切に計画および管理したことを証明できれば、関係者はあなたが利用可能な資産でできる限りの努力を行ったことを理解してくれることでしょう。
5. 運用効率アップを実現する
リソースを管理し、配分を監視することで、チームがリソースをどのように消費しているかをより深く理解できるようになります。そのデータを参考にすれば、次のプロジェクトをより正確に計画することができます。
リソース管理のベストプラクティスから学ぶヒント
リソース管理プロセスに取り組み始めたばかりだという方は、次の3つのヒントを参考にしてみてください。
1. 事前に計画を立てる
すべてのプロジェクトを期日内に完了しているのは企業のわずか2.5%だということをご存知ですか?直前の混乱を避けてスケジュール通りに業務を進められるよう、プロジェクトのできるだけ早い段階でリソース要件を把握するようにしましょう。
2. チームの仕事量のバランスをとる
間違いが発生しやすくなるため、チームに負担をかけすぎないようにしましょう。実際に、従業員の半分以上が燃え尽き症候群の兆候を感じ始めています。チームに過度のプレッシャーがかからないようにするため、大きなタスクは小さなタスクに分割し、複数のチームメンバーに公平に分散するようにしましょう。
3. 柔軟性
優れたリソース管理は、変化が起こるという強い認識に基づいて行われます。KPMG によると、プロジェクトマネージャーの3分の2がこれを認識し、正式なプロジェクト変更管理プロセスを導入していることがわかっています。そのため、プロジェクトを計画してリソースを配分する際は、予期せぬ状態をしっかりと想定しましょう。プロジェクトが進行するにつれて、リソースの配分を微調整する必要があることも留意してください。
monday.com を使用してリソースを効率的に管理
monday work management を使用すると、リソース管理における難しいバランス調整を簡単に行えるようになります。ノーコードで誰でも使いやすいことに加えて、すべてのリソースを見える化し、使用されているものや期間、責任者をリアルタイムで確認できるようになります。
- リソースビューでは、リソースの正確なステータスをスナップショットとして一覧表示できます。ここで全体の状況を確認し、優先度の変化に適応するようリソースを計画、スケジュール、配分できるようになります。
- ワークロードビューを使用すると、各チームメンバーが各プロジェクトタスクにかかる時間を視覚化して追跡できるようになります。これにより、過剰および不足しているリソースの概要をすばやく把握し、チームの時間を事前に管理できます。また、このビューを使用してリソースや機材を追跡することも可能です。
- 財務概要ビューではプロジェクトの予算を監視し、支出状況を追跡できます。
monday.com でリソース管理を効率的に計画
いかがでしたか?リソース管理はプロジェクト管理における重要な要素です。事前にリソースを計画、スケジュール、配分することで、予期せぬあらゆる問題を回避することができます。
monday work management ならタスク、プロジェクト、プロセスの遂行を効率化し、プロジェクト規模に応じた目標をチーム一丸となって達成できます。