仕事をする上でも、プライベートな時間でも毎日避けられないもの…それが「タスク」、つまり「やらなければいけないこと」です。
上司から CC でメールが届く、同僚にレポートのフィードバックを頼まれた、飼い猫が餌を欲しがって膝の上に飛び乗ってくるなど、タスクは突然あらゆる方向からやってきます。
やることが多すぎてもうどうすればよいかわからない、という経験は誰しもあります。
でも、だからといって大事なことを忘れてしまうと、タスクを完了すべき期日に間に合わず、クライアント(そして猫にも!)に迷惑をかけることになりかねません。
そこで活躍するのが ToDo リストです。
見やすくまとめた ToDo リストは、タスクの整理や優先順位付けだけでなく、プロジェクト計画にも便利です。食料品の買いだし、バーベキューの計画など家庭のことはもちろん、仕事で今日終わらせるべきタスクなどのリストを作ったことがある方も多いでしょう。
では、どうすればより多くの仕事をこなす上で効果のある ToDo リストを作成できるのでしょうか?
ToDo リストとは
完了すべきタスクをすべてリスト化したものが ToDo リストです。大切なことを忘れないように、すべてを1か所に書き留めておくわけです。
こうしたリストは複雑なものでなくて構いません。付箋やいらない紙を使って書き留めておくこともできます。
ビジネスの場合は、レポートの作成、出張の航空券の予約、リードのフォローアップなどがあります。
ToDo リストはそもそも、とても個人的なものです。人それぞれでリストの作成方法や優先順位のつけ方は違うため、特にこうという決まりはありません。たとえば、歌手のジョニー・キャッシュの ToDo リストは有名です。
このリスト自体に何か特別なことが書かれているわけではありませんが、2010年、あるオークションで6,250ドルという価格をつけ落札されています。
より現代的なやり方としては、チーム全体で各自のタスクや作業アイテムを管理できる monday.com のようなプラットフォームを使う方法があります。こうしたツールはコラボレーション機能も備えているため、チームタスクの表示、メモ付け、責任の割り当てなどが可能です。
以下はリモートチームの業務管理に monday.com を活用している例です。
では、ToDo リストの作成が重要なのはなぜかを引き続き考察していきましょう。
ToDo リストのメリット
ToDo リストの作成はなぜ重要で、それを優先する必要があるのでしょうか。
答えは、優れた ToDo リストがあれば生産性が向上するからです。
そもそも仕事を管理する計画がなければ、他の人から送られてくるタスクに対応せざるを得なくなります。そんな中で自分の仕事をこなすにはスケジュールの変更を余儀なくされるため、タスクの量の多さに圧倒されて消耗してしまうことにもなりかねません。
ToDo リストを作成しておけば、そのような事態を防ぐことができます。事前に優先順位を設定できるので、毎日のタスクを優先的に進めることができます。
それに、ToDo リストを作成するメリットはほかにもたくさんあります。
1. 作業の整理
作業記憶や短期記憶は極めて限られたものです。1956年には、平均的な人の場合、頭で一度に記憶できるアイテムは7つ(プラスマイナス2)にしか過ぎないという心理学者による研究結果が発表されています。
毎日のタスクとその詳細をすべて覚えておこうとするのは非現実的です。重要なことを忘れたり、取り違えたりする可能性が高くなるだけです(締め切りが今週なのに、次の週だと勘違いした経験はありませんか?)。
「やることを整理・追跡するために役立つ」というのが ToDo リストを作成する一番の理由です。
「今日何をするんだっけ?」と考えるのではなく、やり残した仕事のリストを見るだけで、何をすべきかが一目でわかります。
2. 集中力の持続
マルチタスクやタスク間の切り替えはあまり上手くいきません。より多くの仕事をこなしているように見えるかもしれませんが、マルチタスクは生産性に悪影響を及ぼすことが研究により明らかにされています。
マルチタスクとは、注意が分散され、特定のタスクに完全に集中していない状態を意味します。カリフォルニア大学アーバイン校の研究者が実施した調査では、仕事が中断されるとストレスが増え、フラストレーションが高まることが明らかになっています。
問題は他にもあります。タスクが中断されると再開するまでにかかる時間は平均23分15秒です。ささいとは言え勤務時間中に気が散ることが多ければ、相当な時間を無駄にすることになってしまいます。
その日にすべきことをToDo リストにまとめておけば、タスクに集中でき、フローを確立できます。本当の意味で仕事に集中するためにも、一度試してみる価値はあるでしょう。
3. 優先順位付けに便利
時間は最も貴重な資産ですが、受信したメールや通知で気が散ってしまうと、生産的な仕事ができなくなります。
ToDo リストを作っておけば、その日の仕事に優先順位を付けることができるため、時間を無駄にすることなく、最も重要なタスクに時間を割くことができます。また、何か他の予定が入った場合は、別のリストに入れ後で再スケジュールすることもできます。
4. モチベーションの向上
大型のプロジェクトを抱えているとついイライラしてしまうものですが、ToDo リストにあるアイテムを線で消していくと達成感が得られ、仕事を続けるモチベーションが高まります。
モチベーションが維持されていると、意欲を強力に高める物質であるドーパミンが体内で分泌されます。ToDo リストにあるたとえ小さなタスクでも、完了すること自体が満足度を高めるトリガーになります。アイテムにチェックを入れると少量のドーパミンが分泌され、次のタスクに進む意欲が高まります。
5. 精神的な負担を軽減
タスクを途中で中断したのに、気がつくと一日中そのことを考え続けていたようなことはありませんか?
それはツァイガルニク効果によるもので、達成した事柄よりも、まだ達成できていない事柄のほうがよく記憶に残るという心理現象のことです。
言い換えれば、未完了のタスクがあると頭に残り、それ以外のことに対する集中力が削がれてしまうということです。
ToDo リストを作成すると、本質的に頭の中の考えをすべて書き出す「ブレインダンプ」ができるようになります。頭に残っている事柄を外に出して、それを視覚化するのです。
ToDo リストの作り方
ToDo リストは、その日にやるべきことを単に書き出すだけでは十分とは言えません。確かにそれでも良いのですが、体系的なアプローチをとった方が生産性ははるかに高まります。
次の手順に沿って、効率的な ToDo リストを作成してみましょう。
#1. 媒体を選ぶ
紙とペンを使えば始めるのは簡単ですが、作業の整理、定期的なタスクの通知設定、チームメンバーへのタスク割り当てなどが容易でないというデメリットも多数あります。
だからといって、ノートやメモからすぐに脱却せよというわけではありません。紙のリストが便利な場合もありますが、すべての概要を正確に把握するには、ソフトウェアを活用したソリューションを選択するのが最適だと言えるでしょう。
生産性向上に役立つアプリを ToDo リストの作成に使用すると、タスクをすばやく把握し、優先順位を付けることができるため、重要なものを忘れる心配もありません。また、アプリなら紙とペンでは不可能な機能もたくさん備えています。
最終的には個人の好みですので、正解、不正解というものありません。紙とペンを好む人もいますし、あらゆることに生産性向上アプリを使う人もいます。
自分に合う媒体を選び、それを使い続けるのが良いでしょう。
#2. やるべきタスクをすべてリストアップする
自分のタスクや作業アイテムを常に把握しておくことはかなり難しいのが現実です。まずは、「マスターリスト」を作成してタスクを整理しましょう。完了すべき作業(例:クリーニングに出した服のピックアップ、プレゼン資料の作成、セールスレポートの準備など)をすべて含む ToDo リストがマスターリストです。
そして、選んだ媒体にタスクをすべて書き出します。リストの各 ToDo は具体的で実行可能なものにしましょう。
たとえば、単に「下書き」とだけ書いても曖昧で、内容がよくわかりません。具体的に「X のトピックについて投稿するブログ記事の概要を下書きする」のように書いてみてください。
#3. 優先度別にタスクを整理する
リストに目を通し、それぞれに等級をつけます。ノートをお使いであれば、リストの各アイテムの横に1から5までの数字(1が優先度が高く、5が優先度が低い)を書きこみます。
monday.com では、ToDo アイテムに高、中、低のラベルを追加して優先度を表示することもできます。ラベルは色分けされているため、ボードをスキャンして、今取り組むべきことをすぐに特定できます。
#4. 価値の低いタスクを削除する
ToDo リストの真価は、時間の有効活用につながらない、価値がそれほどない、またはまったくないタスクを特定できる点にあります。このようなアイテムは、手をつける時間がないかもしれないと思うと、ストレスや不安の原因になりかねません。
こうしたタスクは誰かに任せるか、ToDo リストから完全に削除し、最も重要なものを最優先に考え、気が散らないようにします。
どうしても削除する気になれない場合は、monday.com に「期日なし(名前は「いつかやること」など何でも構いません)」というボードを作成し、そこにタスクをドロップしておけば、いつでも見直すことができます。
#5. 大きなタスクを小さなステップに分割する
その日にやるべきことを終わらせるのは難しいことのように思えます。パンク状態になり、仕事を先延ばしにすることさえあるかもしれません。
一見すると大きなタスクは、小さく管理しやすいステップに分けます。たとえば、タスクの1つが「エディトリアルカレンダーを作成する」だとしましょう。このタスクは次のように分割できます。
- キーワード調査を実施する
- 記事のトピックを考案する
- コンテンツ種類を決定する
- コンテンツチームとのミーティングを実施する
- 公開するチャネルを選択する
ToDo リストを見ると圧倒されそうになることもありますが、上の例のように大きなタスクを小さなサブタスクに分割すると、仕事の管理が容易になります。
#6. 期日を追加する
仕事にはほとんどの場合、完了させなければならない期日があります。
パーキンソンの法則はご存知のことかと思います。たとえば、レポートの締め切りまで数週間あると分かっていれば、時間をかけて書くでしょう。
ですが上司から今日中にレポート提出するよう言われれば、ランチの時間を削ってでも(あるいはランチを抜いてでも)、全力でレポートを仕上げるのではないでしょうか?
期限を設定しておくと、プロジェクトが然るべき軌道に乗るだけでなく、先延ばしを防ぐことにもなります。monday.com からは、 iOS や Android デバイスへ直接プッシュ通知を送信することもできるので活用してみてください。
さて、皆さんはこの時点でやるべきことの詳細を書いた ToDo リストを作成済みのことと思いますが、残念ながらタスクが自動で実行されるわけではありません。
次のセクションでは作成したリストに基づき、仕事にどう取り組めばよいかを見ていきます。
ToDo リストの管理の仕方
SNS を閲覧したり、YouTube で動画を観たりしているとつい時間を忘れてしまいますよね。
ここからはリストを管理し、仕事を完了するのに役立つ生産性向上の方法をいくつか紹介したいと思います。
仕事を成し遂げる
GTD(Getting Things Done、仕事を成し遂げるの意)とは、タスクを整理、管理する仕組みのことで、基本は以下のような5つのステップが含まれます。
- 収集:すべてのアイテムを収集し、受信トレイに入れます。
- 明確化:それらのアイテムを見極め、アクションの対象ステップに変えます。
- 整理:タスクを適切な場所に整理します。
- レビュー:ToDo リストを短期間で見直し修正します。
- 実行:優先度が高いタスクから取り組みます。
この生産性向上手法は、気が散る原因になることを頭の外に出し、最も重要なことに意識を集中させるシンプルなやり方です。
カエルを食べてしまえ
マーク・トウェインはかつてこう語りました。「生きたカエルを食べねばならないなら、朝一番に食べてしまえは、その日はもうそれ以上悪いことは起こらない」
もちろん本当のカエルではありませんので、ご心配なく。「カエルを食べてしまえ」とは、朝一番に最も重要なタスク(Most Important Task、MIT)に取り組むことのたとえで、プレッシャーのかかるプレゼンであれば真っ先に終わらせて、気持ちを楽にさせた方が生産性の向上につながるという類のことを指しています。
アイビー・リー・メソッド
翌日にやらなければならない重要なことを6つだけ書き出します。次に、重要度の高い順に優先順位を付けます。集中して最初のタスクを完了させ、それから次のタスクに移ります。
アイビー・リー・メソッドはシンプルなようで、その効果は軽視できません。1918年、経営効率化のコンサルティングをリー氏に依頼したアメリカの鉄鋼王チャールズ M. シュワブは、このメソッドの効果を実感し、同氏に小切手で25,000ドルを支払いましたが、今日の価値にすれば400,000ドルもの金額で、それに見合う価値があるものだったということです。
1-3-5ルール
大きなタスクを1つ、中くらいのタスクを3つ、小さなタスクを5つ書き出します。まず大きなタスクから始めて、その他のタスクを進めていきます。
かんばんボード
かんばんボードでは、ワークフローを視覚化し、さまざまなステージにわたりプロジェクトを追跡できます。ボードは、移動可能なカラムとカードで構成されます。
かんばんボードを使うと、一目で状況を把握でき、1か所でワークフロー全体を整理できます。
タイムブロッキング
タイムブロッキングあるいはタイムバッチングは、カレンダーの一定の時間帯を区切り、1つのタスクだけに集中する時間管理法です。
ジョージタウン大学でコンピューターサイエンス教授を務めるカル・ニューポートが、「ディープワーク」、つまり気を散らさず仕事に取り組む目的で活用している生産性向上法です。
次の写真は実際にカル教授が書きつけたものです(写真の内容が完璧にわかる方は少ないかもしれませんが…)。
ポモドーロテクニック
ポモドーロテクニックのやり方は簡単で、タイマーを25分に設定し、ToDo リストにあるタスクに集中します。25分経ったら5分休憩し、再びタイマーを25分に設定してタスクに集中します。これをタスクが完了しリストから消すまで繰り返します。
ToDo リストの管理に唯一かつ最善の方法というものはありません。いろいろ試してみて、自分に合う方法を選んでください。
monday.com を ToDo リストの管理に活用
タスクの迅速な把握、リマインダーの設定、アクションアイテムの共同作業を1か所で行いたいという場合は、それに見合う堅牢なソリューションが必要です。
monday.com は用途の広いプラットフォームで、やるべきことを常に把握しておくことができます。インターフェースは高度にカスタマイズ可能なため、既存のワークフローに合わせて調整できます。
ToDo リスト習慣を始めよう
特定の時点では、やるべきことが無限に増えてしまうこともあり得ます。今抱えているタスクを把握・整理するシステムが整っていない限り、重要な内容でも容易に忘れてしまいかねません。
monday.com を活用すれば、ToDo リストを1か所から作成・管理することができます。テンプレートは自由にカスタマイズでき、新しいカラムの追加、ラベルのカスタマイズ、お気に入りのアプリとの統合も可能です。
ぜひこの機会に monday.com をお試しください。最初の2週間は無料でお使いいただけます。